2007年4月11日水曜日

DETH NOTE前・後編 ~ファンにはたまらないオリジナル作品~

総合 65点
(ストーリー:内容;28点/30点
      一貫性;11点/20点
       展開;11点/20点
主張:6点/10点
描写:4点/10点
演技:5点/10点)




 週刊少年ジャンプで連載され、一躍大ヒットとなった漫画『DETH NOTE』が映画化された。私は連載中も1話~最終話まで欠かさず読んでおり、単行本も全巻揃え何度も読み返したほどの大ファンである。大場つぐみ・小畑健のタッグで描かれた当原作は、舞台設定、キャラ像、そしてなによりストーリー性、中でも頭脳合戦での奇抜なトリックには、多くの人が魅了されたに違いない。ちなみに全108話(人間の煩悩の数)、単行本全13巻(キリスト教で縁起の悪い数字)などという細部にまで拘っている1作で、私自身、『スラムダンク』以来の大傑作であると感じており、皆様にも強くお勧めしたい作品だ。

 と、いつもより作品紹介を熱く語ったのにも、ひとえにこの作品のストーリーは原作が優れているためにかなり面白い内容だということを言いたかった為だ。「ノートに名前を書かれた人間は死ぬ」という設定の下、全く正反対の正義感を持った天才vs天才の頭脳合戦が展開されるストーリー内容、たまらなく面白い。本当ならば内容で満点をつけたかった所だが、主観が間違いなく入る為、若干の減点をすることにした。それでもほんの少ししかさせなかったのは、「ファンにはたまらない内容」であったから。「デスノート」に出てくる数々のトリック以外にも、原作にはないノートの使い方が登場している点が特にそうで、ファンであればそれにココロを揺さぶられない訳がない。Lが最後に死んでしまうシーンには、チョコと玩具が登場するというファンにしか気付かない細かな演出も随所に見られ、たまらない。そして原作での重要な場面、「実写で見たい!」と思うところは外さず、しっかり描かれている。デスノートのファンならば、必ずや満足する作品で、その主観だけで判断をすれば演技以外ほぼ満点をつけて良い。

 しかし、裏を返せばファンにしか面白くない作品という意味にもとれる。原作をちょっと知っているだけの人ならば、「月がこんなに馬鹿じゃない」「Lはこんなに綺麗なやつじゃない」等のギャップを強く感じてしまい、描写が下手だの、展開がおかしいだの、映画としてはあまり面白く感じない作品であるだろう。また、原作を全く知らない人にとって後編は何が何だか分からなく、ついていけなくなること必至である。こんなに大満足なのに、そう感じるのは一部のファンだけというのは少し残念だなと感じた。

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