2007年9月30日日曜日

第2話 ~シャルトリューズ~



夏風邪気味でも、仕事続きで疲れていても、早く家に帰っていつもより早く寝なきゃいけなくても・・・
酔いたい気分になる時だってある。


営業で疲れて会社に帰って来た時に上司からの説教メール。その仕事をこなして25時に会社を出る。明日は6時起きなのに・・・。


飲まなきゃやってられない時だって、ある。




BAR「Spirits」第2話
~シャルトリューズ~

夏風邪でお疲れの時には、家に帰って早く体を休めるのが一番ですが・・・、是非飲んで頂きたいリキュールがございます。

リキュールというと、カシスやカルーアなど、日本では「甘いもの」というイメージが強いのですが、リキュールの種類にもいろいろとございます。



これが、『シャルトリューズ』というフランスの修道院リキュールです。
130種類ものハーブや香草を使っているそのオリジナルの製法は400年以上も門外不出。
ハーブや香草は、薬草ですから風邪やお疲れの方にも是非オススメです。
シャルトリューズは謂わば、日本でいう、『養命酒』なんですよね。




どうぞ、『シャルトリューズ・トニック』です。




アルコールには殺菌作用もあり、体内の温度も高めるため、本来お酒はとっても体に良いものなんです。

このジンだって、もともとはお医者さんが考えたスピリッツなんですから。
お医者さんが解熱剤として作ったジンが、いつのまにか人々に愛されるお酒となり、現在ではカクテルにかかせないスピリッツになっています。


お医者さんの魂は、人々の体を元気にするために・・・。
では、バーテンダーは・・・?

人々魂を元気にするためのカクテルを処方します。



・ジンを45mlに、
・シャルトリューズ15ml
これをステア


「グリーン・アラスカ」
というカクテルです。



お客様、お体にどうぞお気をつけて。
これを飲んで明日もお仕事がんばって下さい。

2007年9月25日火曜日

第1話 マティーニ


名古屋にいた時からお酒は好きで栄のバーにも当時の彼女と良くいったものです。

東京に出て荻窪で独り暮らしをしている頃、素晴らしいバーテンダーさんに会って、その人からバーテンダーの心、お酒の心を教わりました。

漫画のようなバーの世界も、実は嘘じゃないかもしれません。

BAR「Spirits」 第1話
~マティーニ~

お客様はマティーニというカクテルのレシピをご存知ですか?

・ドライジン     45ml
・ドライベルモット  15ml

あとビターズを1dashにレモンピール。


しかしこれだけのものが何故「カクテルの王様」と言われるようになったのかご存知ですか?

それは、これがバーテンダーの魂(スピリッツ)だからだと私は思います。

お酒の好きな方が何故究極のマティーニを求めるのか?
それはそこにバーテンダーの魂を探すからかもしれません。


実はマティーニには決まったレシピがありません。今作ったものはカクテルブックに載っている一番オーソドックスなものを作っただけです。


使うジンの銘柄、温度によっても味はだいぶ変わります。もちろん分量も。フルーツを使ったものもマティーニです。

しかし、私はいつも思います。バーテンダーとしてお客様にお出しする全てのお酒が、カクテルであり、マティーニなのだと。
本来はお客様に合わせた最高の一杯を作るのが我々バーテンダーの仕事です。
だからそこにバーテンダーの魂が込められるのです。

このマティーニに、個性が無くなってしまった時、それはマティーニと呼べません。
その人の想いを酌み、自分の想いをお酒に注ぐ。
そうなって初めてマティーニというカクテルが誕生するのです。

そう、
大切なのは自分を持つことです。


そしてそれは少し、人生にも似ているかもしれませんね。



お客様、お客様は今、どんなマティーニをお飲みになりたいですか?

2007年9月24日月曜日

華麗なる一族 ~ドラマでは、人生で一番の大傑作~

『華麗なる一族』 ~ドラマは、人生で一番の大傑作~ (1974年1月)

総合 65点
(ストーリー:内容;25点/30点
      一貫性;10点/20点
       展開;13点/20点
主張:8点/10点
描写:8点/10点
演技:4点/10点)


 山崎豊子原作の本作品は、2007年にTBS開局55周年記念ドラマとして全10話から放送された。主人公万俵鉄平の生き様には日本中が感動を 覚え、ドラマ自体も非常に高い評価を受けた作品である。映画は1974年に公開されており、ドラマで万俵大介を演じた北大路欣也も別の役で出演している。
 この映画を見た全体的な感想は、「ドラマの方が断然良かった」である。しかし原作が非常に良い為ストーリーはかなり面白く、映画の方もかなり の高評価を出した。ドラマと映画の大きな違いは万俵鉄平にスポットを与えている機会がかなり少なく、鉄平の生き様が伝わってこなかったことだ。専務として の社員に対する態度、兄弟姉妹に対する兄としての態度など、鉄平の人間性の良さが表現されていないため、最後のシーンの感動がグッとこない。そして、時間 の関係もあるかもしれないが、ドラマでは鉄平以外の脇役もかなり良い味を出しておりそれぞれのリアルな人物描写が、視聴者を作品に引き込んでいくのに、映 画ではそれがない。演技の下手さもあり、それぞれの人物描写もドラマに比べると大変物足りなく感じてしまうのだ。
 しかし、原作はかなり良い。今まで見たことのないスケールの大きな、そしてそれを実にリアルに描いている。そう、この作品の面白さは普段我々 庶民がふれることのない財閥の世界を実にリアルに表現しているところにある。見る人によっては「難しい話」ということも聞くが、作品の登場人物をうまく活 かして知らない世界を分かり易くリアルに描いているため、ストーリーがかなり面白い。話の展開だけなら、シェイクスピアのリア王のようなありふれた話に なってしまうが、スケールを大きくリアルに描いているから面白い。何より主人公鉄平の人柄には見ている人全員が引き込まれる魅力がある。
 もしドラマで採点をすると、ストーリー68点、主張10点、描写10点、演技10点と、ほぼ満点をつけたい1作だ。まだドラマ『華麗なる一 族』を見ていない人には是非DVDを借りて見て欲しい。私が24年間で見たドラマの中で一番の大傑作である。見終わった後にはきっと何かを感じ、考えさせ られ、自分の確かなプラスとなることができる。

小田原のおっさん


昨日小田原のおじさんに会いにいってきました。

おじさんとの出会いは約2年前。

新人研修が終わって名古屋に帰る途中、最終の新幹線が小田原までしか行かず途方にくれていた時のことでした。

小田原の街をうろうろしていて、温泉宿が見つかったので、今日はここに泊まるしかないか・・・。
と沈んだ気持ちのまま靴を置こうとした所、

「おい、にいちゃん!スウェーデン人はいいぞ!」

と声を掛けられました。

年齢は40歳くらいのおっさん。

聞き流そうと思えば良かったのですが、
「これからきっとこういった人達がお客さんになって接しなきゃいけないんだろう・・・」
と、思って少しお相手をしていたら、

おっさんは結構良い人で、昔お世話になったバイト先の店長みたいな人でした。

意気統合した俺たちはそのまま一緒にサウナに入り、
飯もごちそうになり、ビールもごちそうになり、
しまいにゃなんと宿代までおごってもらっちゃいました。



知らない人に声かけられた時はついていっちゃ駄目だよ

と、子供の時教えられたものですが、
こういった出会いもあるものなのだと思います。

その小田原のおっさんとは今でも付き合いがあるという訳です。




昨日は嫁と小田原城を観光し、
そのおじさんが経営する居酒屋に行ってきました。


おじさん、夢だった居酒屋オープンおめでとうございます!!

2007年9月18日火曜日

リゾナーレ



先々週の土日、お客さんとの旅行に行ってきました。

お客さんとの旅行というと接待のように思いますが、
全然違います。
仲の良いメーカー同士誘って、お客さんともすごく良くしてもらっている所なのでプライベートのようなもの。

むしろ社員旅行より気を遣いません(遣えよ!)




今回の場所は東京から

長野の車山高原へ行き、

山梨県は小淵沢にある「リゾナーレ」という施設に泊まりました。


リゾナーレは某メーカーさんの保養所らしく、ただで泊まれました。


でも、その施設がすごい。

ホテルの一角がリゾート地になっています。

こんな様子です↓
http://www.risonare.com/


ホテル内に町並みがあって、プールや温泉まであります。

室内もすごく綺麗でほんとなら一人25000円もするんだとか・・。


写真は車山高原のものです。
自然って素晴らしいね。



メーカーの先輩達とケンカになってしまったこともあったけど、
意見をぶつけ合って仲直りできる男の友情に改めて感激しました。

俺が参加したのは今回で3回目。
毎回いろいろと楽しいことがあるけれど、とっても有意義な旅行だったと思います。

2007年9月15日土曜日

叫 ~久々に素晴らしいホラー描写が見れた~

叫』 ~久々に素晴らしいホラー描写が見れた~ (06年12月)
総合66点/100点
(ストーリー:内容;19点/30点
       一貫性;9点/20点
       展開;14点/20点
主張:7点/10点
描写:9点/10点
演技:8点/10点)

 近頃は小説や漫画、ゲームからの実写ホラーが多かったが、この『叫』は映画オリジナルのストーリーで、ホラー好きの私としても期待が高まる作品だ。ホラー映画において、世界的にも評価の高い黒澤清監督の作。
 さすが、ホラーの巨匠というだけの作品で、映画を怖く見せる描写は圧巻だ。ゆったりと視聴者の心を落ち着かせておきながら、突然現れる幽霊で 「うわっ!」というシーン。逆に効果音や大声を使うのではなく、ゆったりと現れる幽霊で「ゾクッ!」とくるシーン。ただ怖いCGやメイクでわ~わ~と叫び 回るホラー映画とは違う、さすがの描写であると思った。殺人事件を追う刑事自らが容疑者になり、しかも自分が知らないうちにやってしまったかもしれないと いう、そんなストーリー展開も、幽霊という非現実的なものにリアリティを加え作品全体を面白くしている。最近のホラー映画で怖がれなかった方には是非見て 欲しい1作だ。
ただし、ミステリー・サスペンスの面をとると肝心の話内容が上手くまとまっていない。とくにクライマックスからエンディングにかけて実に荒々し い。どんでん返しは面白いのだが、それではどうして??や、どういうこと??と突っ込みたくなるような箇所が満載で、結局ストーリー全体が非常に汚くまと まってしまっている。解決においての重要なポイントは、手段・可能性と、そして「動機」なのである。これまでの伏線や描写を上手く使ってクライマックス、 エンディングを迎えて綺麗に終わることができていれば、最高のホラー映画に仕上がったこと間違いなしである。
 結局のところミステリー映画というものは、ただ怖いだけではダメで、しっかりとしたストーリーがあってこそ「良い映画を見たなぁ。」と感じる ことができるもの。ミステリーやサスペンスなどは、話を面白くできる展開が豊富なのだから起承転結を綺麗に駆使し、面白いストーリーを作っていくべきであ る。抜群のホラー描写はかなりのものであったが、この映画にはそこが足りなかった。

2007年9月12日水曜日

手紙 ~起承転結が汚い作品の典型~

『手紙』 ~起承転結が汚い作品の典型~ (06年11月)
総合35点/100点
(ストーリー:内容;12点/30点
       一貫性;4点/20点
       展開;8点/20点
主張:0点/10点
描写:6点/10点
演技:5点/10点)

大人気作家:東野圭吾さん原作の映画第4弾。私はあまり小説を読まないのだが、東野さんの作品に関しては好きで、読んでいる。リアルで鋭い人物描写や話の内容はすごい。こういう人が賞をとるのだろうなぁといつも感動を覚えるものだ。
しかし残念ながらこの映画に関しての見所はほぼないに等しい。原作で最も大切な「兄との絶縁」の部分がおろそかに描かれすぎで、下手に兄弟愛に走 りすぎたせいか何が言いたいのかさっぱりと分からず、その上感動もできない。これでは東野圭吾さんのせっかくの主張も何も伝わらない。私は「いかに原作通 りに描くか」ということには拘らず、映画は別に原作とかけ離れて作っても良いという考えだ。だから兄弟愛に走ったということを悪く言っている訳ではないの だが、それならばもっと兄弟愛としての物語構成にすれば良かったし、原作にアレンジを加え違う作品にしたって良かったとさえ思う。(東野さんの了解を得 て。)
視聴者が喜びそうな感動作品に仕上げようとしたはいいが、ある程度原作通りのストーリー展開を守る。しかし全くそれ通りにはいかず途切れ途切れ の話展開。こういう映画は起承転結が汚い作品の典型で、結局は「何が言いたいの?」ということになってしまう。原作で描きたかったことと、この映画で描き たいことの違いがあるのであればそもそもその隙間を埋めることはかなり難しいのである。原作通りを守るか、変えてしまうかを決めないでどっちつかずになる のが一番いけない。話の起承転結が崩れると何がなんだか分からなくなってしまうのである。特にこの作品のようにクライマックスでの大きな部分の筋道をそら してしまうというのは、見ている側としてはキョトンとなる他ない。いくら俳優さんが良い演技をしても、ぐっとくるような演出をしても、これでは台無しだ。
結局この映画の見所は相変わらず素晴らしい演技を見せる主演の山田孝之だけであろう。今回はお笑いコンビとしての演目までこなす訳だが、芸人と しての間も結構上手くて普通に笑えるネタもあった。沢尻エリカの下手な関西弁さえなければ演技で10点をつけてもいい。それだけ山田孝之の演技は素晴らし い。原作ではお笑いコンビという設定ではなく、ストーリーとしては甚だ疑問なのだが、山田孝之だけ見るとしては思い切って設定を変えて良かったのではない かと思う。

2007年9月4日火曜日

犬神家の一族 ~温故知新~

『犬神家の一族』 ~温故知新~ (06年12月)
総合60点/100点
(ストーリー:内容;11点/30点
       一貫性;19点/20点
       展開;10点/20点
主張:5点/10点
描写:6点/10点
演技:9点/10点)

日本映画史上最高のミステリーと称される犬神家の一族がリメイクされた。角川ホラー30周年記念作品でもあり、監督も主演も30年前と同じキャス トであるらしいが、私にとってはこれが初めて見る犬神家の一族であり、過去作品の比較への評価ができないのはご了承頂きたい。ちなみに日本の名探偵金田一 耕助の話を見たのも初めてであった。
ということでこういった作品は私のような現代っ子が評論すべきでないのかもしれない。横溝正史というと奇抜なトリックと予想もつかない話展開と 聞いてはいたけれどトリックも話展開も現代ミステリーの方が面白いように思った。もちろん、横溝先生の発想があったからこそ、それが現代のミステリーに活 かされているのであると思うが、見る順番が逆なのだからしょうがない。一番のがっかりは、ミステリーで一番のクライマックスである真相部分。綺麗にまと まってはいるが、逆転につぐ逆転という派手さがない。佐清の正体が明かされるのも、真相以前に分かってしまっているのでクライマックスでの盛り上がりも、 答えが分かっている解答合わせのようである。謎解きができないミステリーには、現代っ子の僕らとしてはやはり残念なように思う。全体的な起承転結が非常に きれいにまとまっているだけに、せめてもう1転する展開は欲しかった。
ミステリー映画としての恐怖感もイマイチ表現に長けない。ここは敢えてホラー映画が嫌いな人にも見れるようにとの配慮なのかもしれないが、ミステリーファンとしてはものたりないと言った所だろう。
 しかし、主演の石坂浩二を初めとする俳優・女優人は豪華キャストなだけあって出来が非常に良いし昭和20年という時代感もかなり上手く描かれている。先にも書いたがストーリーの起承転結はしっかりしているので見ていて非常に気持ちが良い。
こういった意味でこの犬神家の一族は、古きを知り新しきを知る作品ということではないだろうか。新作落語ばかり見ていた人も時には古典落語を見て みるのは良いだろう。現代小説ばかり見ている人も、たまには夏目漱石を読み返すのも良いだろう。もちろんもともと古典が好きな方には、大満足間違いなしな のである。これだけの月日が流れても愛される作品になる。そんなモノを、これからは現代の僕らが後世のために作っていかなくてはならないのである。