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2008年3月3日月曜日

チームバチスタの栄光 ~斬新なミステリーに思わず高得点~

『チームバチスタの栄光』 ~斬新なミステリーに思わず高得点~(2008年2月)
総合87点/100点
(ストーリー:内容;28点
       一貫性;18点
       展開;18点
主張:7点
描写:7点
演技:9点)

現役の医者が書いた小説という事、加えてドラマ医龍でのバチスタブーム(?)に乗って一躍大ヒット作家となった海堂尊のこの原作は、なんとこれが 処女作だそうだ。私は相変わらず原作は読んではいないが、かなり面白い内容であり、原作でことの詳細をもっと読んでみたくなった。そして、いつも原作を気 にしない私だが、この作品では読んでいれば「もっと良い評論が書けるのに!」と思うのである。乱文になることをまずお詫び申し上げます。
もし中村義洋監督が、原作と違った描写をし、普通のミステリーのようにシリアルに仕上げず自分自身でコメディを織り交ぜた意図をしたのならば私 はこのチャレンジをかなり高評価したい。ミステリーでは普通、「誰が犯人なんだろう?」「この人の、この場面には怪しいなぁ。」と視聴者が疑心暗鬼になる ようにできている。しかしこの作品はそれを思わせない。コメディ描写があり、それがやりすぎではあるが、効果的なのだ。犯人やトリックを推理させないため に、結末をより面白く受け入れられる話。これはかなり斬新であり、新しいミステリー作品である。古畑任三郎であれ、視聴者は推理をしてしまうのだから。し かもコメディ性が作品を壊しておらず、シリアスな所はちゃんと描けている為、この手法は成功だと言える。だからこの作品を見る時には推理ゲームのドキドキ を求めてはいけない。若干甘い気がするが、この監督の意欲と斬新さに思わず高評価をした。原作を忠実に再現するのが全てじゃないことを教えてくれる良いヒ ントにもなろう。
ストーリー内容の展開でも高得点をつけた。犯人が分かった時点だけで終わっていたとしたらミステリーとしては確実に物足りなかったのだが・・・ その後しっかりと見せてきた。わざとらしくなるかもしれないがやはりここはしっかりと決めていきたい所である。かつ上記した推理させない効果のおかげで、 結末の意外性は倍増だ。原作がある作品ではあるがとぎれとぎれにならずしっかりと起承転結もつけられている。医療現場も制作費をかなりかけたもの。これが セットとはとても思えない。
演技については、竹内結子のすごさを改めて思い知らされる。まだ何の医者かも知らされていないのに、彼女の最初のワンシーンだけで不定愁訴の医 師であることが分かる。しゃべっていなくても表情だけで物語れる表現力は、只者ではない。阿部寛は、おちゃらけているが信念のしっかりした役が、実によく 似合うものだ。脇役、その他のキャラクター描写も分かり易くしっかりとしており、キャスティングもよい。
 まぁ、雑なところもあり批判すべき点もないわけではないが、普通のミステリーとは一味違った斬新なこの作品。そしてこの監督の大胆であるがや ることはしっかりとしている描写を是非見て頂きたい。個人的ではあるが私の考えと似ており、一気にファンになりました。『チームバチスタの栄光』、オスス メの1作です。

2008年2月10日日曜日

L change the World ~スピンオフの明らかな失敗作~

『L change the World』 ~スピンオフの明らかな失敗作~ 
(08年2月)
総合 18点
(ストーリー:内容;4点/30点
      一貫性;6点/20点
       展開;4点/20点
主張:2点/10点
描写:0点/10点
演技:2点/10点)
 前作の公開終了からすぐに企画されていたスピンオフなだけにファンの期待はすこぶる高い1作だ。私自身もデスノートファンであり、公開が待ち遠 しく、すぐに劇場へ駆けつけた。前作『DEATH NOTE』の評論では、(詳しくは前作の評論を見てもらいたいのだが)漫画とは一違うオリジナルのデスノートの世界が描かれており、ファンとしては充分満 足できる作品であった。頭の悪いライトvs人情味深いLの戦いではあっても“それはそれ”の良くできたストーリー内容であったからだ。その人情味深いLが 最期の23日間に何をしたかったのか?この1つだけでも、もうかなり胸が膨らむ。
 ところがしかし、この作品は大失敗としかいいようのない残念な結果だ。原作、前作を全く活かしきれていないはおろか、オリジナルとしても何と も陳腐な脚本、Lのキャラクター、デスノートの世界観を全く表現しきれていない描写、おまけに新展開や新事実も、何も産まれていないといっても過言でな い。完全なるスピンオフの失敗作であり、久しぶりに映画館を途中で出ようかと思ったくらいだ。製作者は、果たしてデスノートの何を描きたかったのだろう か?デスノートをしっかり読んだのだろうか?前作をしっかりと見たのだろうか?
まずはストーリー内容のできがあまりにひどい。デスノートとは大人が頭を捻らせても出てこないような発想が醍醐味であり、天才vs天才の化かし 合いがこれまでにない大ストーリーを産み出している。描かれているテーマも、犯罪者裁きは悪か正義かというスケールの大きなものである。ところが本作は何 だろう?小学生向けヒーローもののような陳腐なストーリーと展開。頭脳による化かし合いもなければ逆転劇も何もない。描かれている悪人の人間的小ささもさ ることながら最終決着の舞台も客員数十名の機内となんとスケールの小さいことか。L最期の23日間は、Lじゃなきゃ解決できない難題でなければならないは ず。百歩譲ってそこまで頭の使ったストーリーを製作できないにしても、映画版の人情味溢れたLの人柄を表現することは最低ラインやらねばならないのではな いか。
また、原作や前作にはないLの描写がさらに作品をダメにしている。製作者の意図としては、走ったり、跳んだり、自転車に乗ったり、猫背を治して みたり、お茶目だったりと原作や前作では見せる事ができなかったLを表現したかったのであろうが。私は原作の全てを描いたり、原作通り描く事が全てではな いとも思う。現に前作の『DEATH NOTE』は、原作とは一味違う醍醐味があり面白かった。しかし、このスピンオフ作品はその限度を越えて、デスノートの世界をぶち壊しにしているからひど いのである。その頭脳明晰ぶりを発揮していない馬鹿なLを代表に、新しく登場するワイミーズハウスの天才、Kの扱いもひどい。天才のはずの彼女の、その天 才ぶりはなんだろうか?史上最悪の兵器であるはずの細菌を作ったのも別の人間。血清を作ったのもまた別の人間。暗号も解けない。難攻不落なはずの捜査本部 も甘甘のセキュリティだし、Lやワタリの存在は一般人に知られてはならないはずなのに、一研究員が知っている。小学生が見るならまだしも、これを楽しみに 劇場へ足を運ぶ大人も多数いるのだから、デスノートを馬鹿にするのもいい加減にしてほしい。大場つぐみ先生はよくこれをスピンオフとして認めたなぁと想 う。
さらにはデスノートと関係がない所でも粗が目立つ。感染少女が街中をうろついているのに電車内では騒ぐだけだし、シートも殺菌してるだけだ し・・・。感染のスピードも都合のいいくらい不自然だし、人によって感染の仕方も違う。緻密なデスノートにはあってはならない粗が多すぎる。おまけに演技 もひどい。これだけ優秀な子役がたくさんいる時代なのだから、少女役の福田麻由子はもうちょっと頑張ってほしい。
と、いいきれない位ひどく、フォローのしようがない位残念なこの作品は、今後スピンオフを作る際の反面教師として大いに参考になるだろう。スピ ンオフの依頼がきたからにはしっかりとした仕事をしないと、こうなる。確かにこの監督はホラー映画監督としては優秀なのかもしれないが、デスノートのスピ ンオフという事をまるで分かっていない。スピンオフを請ける限りは、作品を愛し、しっかりとそれを表現してもらいたい。それができずに安っぽい映画を作る のであれば、その仕事を請けてはいけない。最後に、この作品のせいで名作の価値が下がるような事がない事を祈るばかりだ。

2008年1月19日土曜日

それでも僕はやってない ~これでもかという製作者の想いを見よ~

『それでも僕はやってない』 ~これでもかという製作者の想いを見よ~ (2007年1月)

総合 64点
(ストーリー:内容;8点/30点
      一貫性;20点/20点
       展開;5点/20点
主張:10点/10点
描写:15点/10点
演技:6点/10点)

周防正行監督による、『Shall We ダンス?』以来10年ぶりの映画でオリジナル作品だ。
本作は主人公の金子徹平が痴漢疑惑をかけられた場面から、裁判終了までを終始ドキュメント調に描かれている。大学で法律を学んだ私としては作品自 体の内容もそこそこ面白かったのではあるが、映画というジャンルで考えた時、このような痴漢冤罪ドキュメントをわざわざ2時間も見る必要はない。と感じ る。ストーリー性に面白みもなく、この手の作品にしてはサスペンス性やヒューマンドラマ、感動もない。ただ延々とその様子を描いているという内容だから だ。
しかし、である。「これこそが現在の刑事裁判の現状であり、冤罪を産む実態なのである。」という事を表現しきった製作者の想いはすごい。私が考 えた採点配分でなのではあるが、今回は描写で満点以上つけた。理由はそこである。毎回満点以上をつけるものと思わないで欲しい。この作品はそれだけすごい という事だ。敢えてハッピーエンドにさせなかったり、ヒューマンドラマを混ぜなかったりした内容は、その想いを伝えたかった故なのだろう。こういったス トーリーを無視してまでも冤罪という罰せられない罪を表現しきったこの作品は、人々の胸に届く事は間違いない。法曹、これから司法に携わる人が見ることは 必須といっても過言でない。冤罪を受ける人の留置所での様子や公判の様子も実にリアルである。弁護士と検事が言い争うような裁判ドラマにした方が面白くな りそうなものだが、敢えてそうしないおかげで、本物の裁判の様子が事が実に良く伝わってくる。ドキュメントとしての描き方も起承転結が見事にきれいであ り、矛盾点がまるでない。この描写のおかげで視聴者は製作者の描いた想いが痛いほど良く分かったはずである。
演技に関しては今回はあまり触れない。最低限の事ができているので、上記した想いを壊さなければ問題ないと考える。役所広司は抜群に良い。山本耕史はかっこよすぎるが故のキャストミスのように感じた。
この映画の製作者の想いを是非観て欲しい。自分の伝えたいことを真摯に描くというこれこそが映画の本質なのである。見る人の期待に添えない結果になってしまってもいいじゃぁないか。

2008年1月13日日曜日

バブルへGO タイムマシンはドラム式 ~最高級のエンターテイメントSHOW~

『バブルへGO ~タイムマシンはドラム式~』 ~最高級のエンターテイメントSHOW~(2007年2月)
総合93点/100点
(ストーリー:内容;28点
       一貫性;16点
       展開;20点
主張:10点
描写:10点
演技:9点)

おどる大捜査線で有名な君塚良一氏脚本によるオリジナル映画。タイムマシンでバブルへ行くという何とも古めかしい設定に私自身あまり興味をそそら れなかったのではあるが、内容を見ると、かなりの大傑作であり、君塚良一のすごさを改めて思い知らされた一作である。これまでの君塚映画を批判し、「おど るシリーズ」の低迷を感じていた評論家達も彼のこの1作には“ヤバイ”と、うならされたに違いない。
まずは何と言っても、ストーリー内容が抜群に面白い。起承転結の大枠はもちろんのこと、細部にまでこだわりが見られ、何重にもエンターテイメン トが含まれた描写には、改めて君塚良一のすごさを知らされる。バブルの時代を味わっていない私のような人でも充分に楽しめる。大爆笑ではないが細かな業で 楽しませ、当時の様子の再現で楽しませる。そしてその前フリになっていないようなものでも後で活かす。この業は、まさに君塚ワールドの格別に上手いところ である。ストーリー全体での面白さ、細部へのこだわり、さらにはどんでん返しの展開もきかせた上に、感動までも加える。エンディングでもごく当たり前のよ うに未来を変えてしまっているが、この展開は勇気があり、そして自信がないとできない。製作者の「きっと楽しんでもらえる」という想いがないとできない。 その主張も評価すべき点だ。「タイムマシンで過去へ行き、未来を直す」なんていうどこにでもありふれたストーリーを、最高級のエンターテイメントSHOW に仕上げている見事なまでの大傑作。何も新しく、難しいことをやらなくても良いのである。
1990年を再現した技術もすごい。すべてのシーンに粗がなく、ここでも細部にまでこだわっている。バブル期を過ごしていた人達にとっては、この描写を見るだけでも楽しむ事ができるに違いない。
広末涼子、阿部寛の演技も良かった。広末涼子は評判が落ちたものの未だ色っぽさを持っていて尚且つ優雅だ。阿部寛は同じ人物だが人格の違う3役を見事に表現しきっている。
以上この作品、もはや満点をつけても良いのだが、抜群に良いストーリーの中でも、それはいくらなんでも話が飛びすぎという一貫性の矛盾点と、より 一層高い演技のできる役者がいてしまうという事で演技について若干の減点をした。あとはバブル期が未経験であり、不動産融資の規制を知らなかった事により この最高級エンターテイメントを一層楽しめなかった私自身の未熟さによる減点である。是非DVDレンタルをオススメしたい。

2007年12月18日火曜日

東京タワー オカンとボク、時々オトン ~感動親子愛でなく、最高の親孝行だということを・・・~

『東京タワー オカンとボクと、時々オトン』 ~感動親子愛でなく、最高の親孝行だということを・・・~(2007年4月)
総合76点/100点
(ストーリー:内容;14点
       一貫性;20点
       展開;14点
主張:10点
描写:8点
演技:10点)

リリー・フランキー原作で、テレビドラマにもなった『東京タワー』が映画化。私は小説もドラマも見ていませんので、原作、ドラマとの比較ができないことにはご了承を。
この映画、自叙伝ということでモノローグと過去との回想で物語がしばらく続いていく。シンプルであるがこういう王道パターンが非常に効果的であ り、かつ要点をついたきれいな起承転結で、オカンとの思い出に関する描写はほぼ満点の出来である。実際に体験している訳でないが、なんでこんな風に表現で きるのかと思う細部にまで拘った昭和の町並みも感心だ。それだけにオカンが数年で急変してしまったことがチョンボに思えて残念である。ストーリーでのオカ ンと“ボク”の描写は実にリアルで、2人のやりとりに見ている側も感情移入がしやすく作品に自然に入り込める。飾った言葉ではなく、実際に言われたことな のだろう。大学の留年が決まってしまったところを正直に言う息子に、きっとあのオカンなら怒るんじゃなく、「何でがんばっとれんやったとかぁ・・?」とな るに違いない。自叙伝のいい所をちゃんと映画でも発揮している。この当たりがストーリーで高得点をつけた要因である。
しかしながら、これだけ上手い回想をやっておきながらも、展開に少し欠け、ちと、くどい。見ている途中、これで感動にもっていけるんだろうかと の不安がよぎる。実際に、親子愛ということでの感動はおきない。泣けるはずのシーンも、お涙頂戴ばりの中の下以下の展開と描写。あぁ、単なる思い出話を描 いただけだったのかという作品・・・。と!!思いかけたのだがこの後がすごかった!最後までリアルに拘ったのも、これが描きたかったのかということが分 かった瞬間に作者のすごさを痛感した。これなら敢えてくどい回想シーンにしたのも頷ける。さっきまでのガッカリはおつりがくるくらいの感動に変わるのだ。 皆様もそのワンシーンから映し出され、感じ取るものを見逃す事なかれ。残念なことに親子愛で感動して終わりの人がいるだろう・・・。しかし、そうじゃな い。「最高の親孝行映画」だということを、感じ取ってほしい。このことを描くに関してもっと分かり易くすれば良かったのに、というのが惜しいところだ。
演技に関しても満点をつけた。脇役もいいのだが、主役の中川雅也役オダギリ・ジョー、オカン役の樹木希林の2人に尽きる。特にオカンの抗がん剤治療シーンは圧巻。あの演技にはどんな大女優も息を飲むに違いない。
久々の大ヒット作品『東京タワー オカンとボク、時々オトン』。オススメです。どうぞ、原作者の親孝行をご覧あれ。

2007年11月10日土曜日

アンフェア the movie ~ドタバタすれば良い訳じゃない~

『アンフェア the movie』 ~ドタバタすれば良い訳じゃない~

(07年3月)
総合48点/100点
(ストーリー:内容;10点/30点
       一貫性;6点/20点
       展開;20点/20点
主張:4点/10点
描写:4点/10点
演技:4点/10点)

ファン待望の、篠原涼子主演のドラマ『アンフェア』が映画化。ドラマを見ていなかった私だが、「まさかこの人が?!」という裏切りサスペンスは毎回ハラハラどきどきの連続らしく、ホラー・サスペンス好きにとってはかなり期待のもてるの作品である。以下に、ドラマ『アンフェア』との関連が述べられない事にはご了承頂きたい。

『アンフェアthe movie』は、確かにどんでん返しの連続で、日本の警察とは思えない数多くの銃撃戦はハラハラどきどき物である。しかも、主人公雪平夏見の愛娘が事件にまきこまれ命が危うい!という展開。ファンにとってはきっとたまらない。

しかし、良いのは中盤まで。ドタバタだけすれば良い訳じゃない。終盤のクライマックスがそうなりすぎているせいで、もう何が何だか分からなくなっている。「終わりよければ全てよし。」作品に出てくるこの言葉を、制作者が一番分かっておらず、終わりが汚いせいで作品全体がものすごく汚い。「誰が裏切り者なんだ?!」と見ているこっち側が疑心暗鬼になるような期待も、何が何だか分からない。展開が激しくどんでん返しがあるのはよいのだが、限界がある。短い間に5転・6転もされた上に俳優さん自らセリフの中でくどくど説明する羽目になるのは一生懸命考えてもこんがらがってくるしもう何がなんだか分からない。その上銃撃戦も使いすぎで、終盤の大事なところでは既に飽きてきている。「撃つのか?撃たれるのか?」とハラハラさせたい所が・・・・「あ、やっぱり撃った。」と、なる。そして当然ながら愛娘との親子愛の感動なんぞ、くる訳がない。監督としてはドラマ以上の作品を作ろうということでこれまでにないどんでん返しとアクションを頑張ったところなのであろうが、残念ながら見事に裏目に出てしまった。

結局のところ傑作となるはずの裏切りサスペンスは、汚いサスペンスとできの悪いアクションとなり非常に残念である。見る際には、特にアンフェアファンの人は広いこころを持ってみてください。

2007年9月24日月曜日

華麗なる一族 ~ドラマでは、人生で一番の大傑作~

『華麗なる一族』 ~ドラマは、人生で一番の大傑作~ (1974年1月)

総合 65点
(ストーリー:内容;25点/30点
      一貫性;10点/20点
       展開;13点/20点
主張:8点/10点
描写:8点/10点
演技:4点/10点)


 山崎豊子原作の本作品は、2007年にTBS開局55周年記念ドラマとして全10話から放送された。主人公万俵鉄平の生き様には日本中が感動を 覚え、ドラマ自体も非常に高い評価を受けた作品である。映画は1974年に公開されており、ドラマで万俵大介を演じた北大路欣也も別の役で出演している。
 この映画を見た全体的な感想は、「ドラマの方が断然良かった」である。しかし原作が非常に良い為ストーリーはかなり面白く、映画の方もかなり の高評価を出した。ドラマと映画の大きな違いは万俵鉄平にスポットを与えている機会がかなり少なく、鉄平の生き様が伝わってこなかったことだ。専務として の社員に対する態度、兄弟姉妹に対する兄としての態度など、鉄平の人間性の良さが表現されていないため、最後のシーンの感動がグッとこない。そして、時間 の関係もあるかもしれないが、ドラマでは鉄平以外の脇役もかなり良い味を出しておりそれぞれのリアルな人物描写が、視聴者を作品に引き込んでいくのに、映 画ではそれがない。演技の下手さもあり、それぞれの人物描写もドラマに比べると大変物足りなく感じてしまうのだ。
 しかし、原作はかなり良い。今まで見たことのないスケールの大きな、そしてそれを実にリアルに描いている。そう、この作品の面白さは普段我々 庶民がふれることのない財閥の世界を実にリアルに表現しているところにある。見る人によっては「難しい話」ということも聞くが、作品の登場人物をうまく活 かして知らない世界を分かり易くリアルに描いているため、ストーリーがかなり面白い。話の展開だけなら、シェイクスピアのリア王のようなありふれた話に なってしまうが、スケールを大きくリアルに描いているから面白い。何より主人公鉄平の人柄には見ている人全員が引き込まれる魅力がある。
 もしドラマで採点をすると、ストーリー68点、主張10点、描写10点、演技10点と、ほぼ満点をつけたい1作だ。まだドラマ『華麗なる一 族』を見ていない人には是非DVDを借りて見て欲しい。私が24年間で見たドラマの中で一番の大傑作である。見終わった後にはきっと何かを感じ、考えさせ られ、自分の確かなプラスとなることができる。

2007年9月15日土曜日

叫 ~久々に素晴らしいホラー描写が見れた~

叫』 ~久々に素晴らしいホラー描写が見れた~ (06年12月)
総合66点/100点
(ストーリー:内容;19点/30点
       一貫性;9点/20点
       展開;14点/20点
主張:7点/10点
描写:9点/10点
演技:8点/10点)

 近頃は小説や漫画、ゲームからの実写ホラーが多かったが、この『叫』は映画オリジナルのストーリーで、ホラー好きの私としても期待が高まる作品だ。ホラー映画において、世界的にも評価の高い黒澤清監督の作。
 さすが、ホラーの巨匠というだけの作品で、映画を怖く見せる描写は圧巻だ。ゆったりと視聴者の心を落ち着かせておきながら、突然現れる幽霊で 「うわっ!」というシーン。逆に効果音や大声を使うのではなく、ゆったりと現れる幽霊で「ゾクッ!」とくるシーン。ただ怖いCGやメイクでわ~わ~と叫び 回るホラー映画とは違う、さすがの描写であると思った。殺人事件を追う刑事自らが容疑者になり、しかも自分が知らないうちにやってしまったかもしれないと いう、そんなストーリー展開も、幽霊という非現実的なものにリアリティを加え作品全体を面白くしている。最近のホラー映画で怖がれなかった方には是非見て 欲しい1作だ。
ただし、ミステリー・サスペンスの面をとると肝心の話内容が上手くまとまっていない。とくにクライマックスからエンディングにかけて実に荒々し い。どんでん返しは面白いのだが、それではどうして??や、どういうこと??と突っ込みたくなるような箇所が満載で、結局ストーリー全体が非常に汚くまと まってしまっている。解決においての重要なポイントは、手段・可能性と、そして「動機」なのである。これまでの伏線や描写を上手く使ってクライマックス、 エンディングを迎えて綺麗に終わることができていれば、最高のホラー映画に仕上がったこと間違いなしである。
 結局のところミステリー映画というものは、ただ怖いだけではダメで、しっかりとしたストーリーがあってこそ「良い映画を見たなぁ。」と感じる ことができるもの。ミステリーやサスペンスなどは、話を面白くできる展開が豊富なのだから起承転結を綺麗に駆使し、面白いストーリーを作っていくべきであ る。抜群のホラー描写はかなりのものであったが、この映画にはそこが足りなかった。

2007年9月12日水曜日

手紙 ~起承転結が汚い作品の典型~

『手紙』 ~起承転結が汚い作品の典型~ (06年11月)
総合35点/100点
(ストーリー:内容;12点/30点
       一貫性;4点/20点
       展開;8点/20点
主張:0点/10点
描写:6点/10点
演技:5点/10点)

大人気作家:東野圭吾さん原作の映画第4弾。私はあまり小説を読まないのだが、東野さんの作品に関しては好きで、読んでいる。リアルで鋭い人物描写や話の内容はすごい。こういう人が賞をとるのだろうなぁといつも感動を覚えるものだ。
しかし残念ながらこの映画に関しての見所はほぼないに等しい。原作で最も大切な「兄との絶縁」の部分がおろそかに描かれすぎで、下手に兄弟愛に走 りすぎたせいか何が言いたいのかさっぱりと分からず、その上感動もできない。これでは東野圭吾さんのせっかくの主張も何も伝わらない。私は「いかに原作通 りに描くか」ということには拘らず、映画は別に原作とかけ離れて作っても良いという考えだ。だから兄弟愛に走ったということを悪く言っている訳ではないの だが、それならばもっと兄弟愛としての物語構成にすれば良かったし、原作にアレンジを加え違う作品にしたって良かったとさえ思う。(東野さんの了解を得 て。)
視聴者が喜びそうな感動作品に仕上げようとしたはいいが、ある程度原作通りのストーリー展開を守る。しかし全くそれ通りにはいかず途切れ途切れ の話展開。こういう映画は起承転結が汚い作品の典型で、結局は「何が言いたいの?」ということになってしまう。原作で描きたかったことと、この映画で描き たいことの違いがあるのであればそもそもその隙間を埋めることはかなり難しいのである。原作通りを守るか、変えてしまうかを決めないでどっちつかずになる のが一番いけない。話の起承転結が崩れると何がなんだか分からなくなってしまうのである。特にこの作品のようにクライマックスでの大きな部分の筋道をそら してしまうというのは、見ている側としてはキョトンとなる他ない。いくら俳優さんが良い演技をしても、ぐっとくるような演出をしても、これでは台無しだ。
結局この映画の見所は相変わらず素晴らしい演技を見せる主演の山田孝之だけであろう。今回はお笑いコンビとしての演目までこなす訳だが、芸人と しての間も結構上手くて普通に笑えるネタもあった。沢尻エリカの下手な関西弁さえなければ演技で10点をつけてもいい。それだけ山田孝之の演技は素晴らし い。原作ではお笑いコンビという設定ではなく、ストーリーとしては甚だ疑問なのだが、山田孝之だけ見るとしては思い切って設定を変えて良かったのではない かと思う。

2007年9月4日火曜日

犬神家の一族 ~温故知新~

『犬神家の一族』 ~温故知新~ (06年12月)
総合60点/100点
(ストーリー:内容;11点/30点
       一貫性;19点/20点
       展開;10点/20点
主張:5点/10点
描写:6点/10点
演技:9点/10点)

日本映画史上最高のミステリーと称される犬神家の一族がリメイクされた。角川ホラー30周年記念作品でもあり、監督も主演も30年前と同じキャス トであるらしいが、私にとってはこれが初めて見る犬神家の一族であり、過去作品の比較への評価ができないのはご了承頂きたい。ちなみに日本の名探偵金田一 耕助の話を見たのも初めてであった。
ということでこういった作品は私のような現代っ子が評論すべきでないのかもしれない。横溝正史というと奇抜なトリックと予想もつかない話展開と 聞いてはいたけれどトリックも話展開も現代ミステリーの方が面白いように思った。もちろん、横溝先生の発想があったからこそ、それが現代のミステリーに活 かされているのであると思うが、見る順番が逆なのだからしょうがない。一番のがっかりは、ミステリーで一番のクライマックスである真相部分。綺麗にまと まってはいるが、逆転につぐ逆転という派手さがない。佐清の正体が明かされるのも、真相以前に分かってしまっているのでクライマックスでの盛り上がりも、 答えが分かっている解答合わせのようである。謎解きができないミステリーには、現代っ子の僕らとしてはやはり残念なように思う。全体的な起承転結が非常に きれいにまとまっているだけに、せめてもう1転する展開は欲しかった。
ミステリー映画としての恐怖感もイマイチ表現に長けない。ここは敢えてホラー映画が嫌いな人にも見れるようにとの配慮なのかもしれないが、ミステリーファンとしてはものたりないと言った所だろう。
 しかし、主演の石坂浩二を初めとする俳優・女優人は豪華キャストなだけあって出来が非常に良いし昭和20年という時代感もかなり上手く描かれている。先にも書いたがストーリーの起承転結はしっかりしているので見ていて非常に気持ちが良い。
こういった意味でこの犬神家の一族は、古きを知り新しきを知る作品ということではないだろうか。新作落語ばかり見ていた人も時には古典落語を見て みるのは良いだろう。現代小説ばかり見ている人も、たまには夏目漱石を読み返すのも良いだろう。もちろんもともと古典が好きな方には、大満足間違いなしな のである。これだけの月日が流れても愛される作品になる。そんなモノを、これからは現代の僕らが後世のために作っていかなくてはならないのである。

2007年8月28日火曜日

『NANA2』 ~愛・友・夢が混ざった充実の展開~

総合71点/100点
(ストーリー:内容;18点/30点
       一貫性;15点/20点
       展開;20点/20点
主張:7点/10点
描写:4点/10点
演技:7点/10点)

 2005年9月に公開された『NANA』の続編であり完結編。前作とは大きくキャストが異なった作品であるが、内容は前作の続きである。
続編にもかかわらず、キャスト(しかも主役や準主役まで)の大幅変更というのは、大人の事情を考慮したとしてもやはり頂けない。宮崎あおいは演技 がイマイチながらも表情豊かな表現で恋多き乙女の味を出していたのだが、市川由衣は乙女の弱さを表現するハマリ方がいまひとつ。その他にも主人公ナナの恋 人でありライバルバンドのベース担当の本城蓮や、ブラストのメンバー、シンも異なる俳優が演じている。これでは続編として見る際に戸惑いを覚えてしまう。
しかし、キャストは大きく変更したが雰囲気は全く変わらないのがすごい。普通これだけ大きくキャストを変更したら、もっと作品自体が壊れそうな ものなのに、雰囲気は前作同様に描写されているため、充分続編ということで見ることができる。作品の一貫性での減点はないに等しい。それに加え、(感銘を 受けるシーンがないことはさておき)前回よりもさらに面白いストーリー内容である。愛情・友情・夢をテーマにし、それぞれが交錯しながらもしっかりと起承 転結はつけており、ストーリー展開も終始ハラハラの連続で見ている側を飽きさせない。恋の病や友情の崩壊や夢への挫折なんていう、ありふれたストーリーの 中にも、様々な展開を見せそれが効果的にきいているから面白い。少女漫画とは思えないSEX描写がされることも、作品全体をリアルに見せている訳なのだ が、これについては前作中島美嘉が見せたような場面がなかったのが物足りなく、少しリアルさを欠いてしまっている。夢の内容である音楽についても作品をと ぎれさせず、壊すことなく効果的に取り込んでいるのが相変わらず素晴らしかった。市川由衣の演技の下手さや、所々に見られる粗のある描写、感動部分や SEX描写がないことにも、この作品展開があれば目をつむって映画を楽しめることだろう。
もし前作同様のキャストでこれを行えば、続編としてより一層入り込むことができたであろうに。それだけに惜しい一作である。そしてもう少ししっかりと粗をとって芸術性をおりこみ感動作品に繋げれば邦画界の大バケ作品になったに違いない。

2007年8月26日日曜日

大日本人 ~松本人志のお笑い魂~

総合33点/100点
(ストーリー:内容;9点/30点
       一貫性;4点/20点
       展開;4点/20点
主張:10点/10点
描写:3点/10点
演技:3点/10点)

ご存知お笑い会のカリスマ:松本人志の初監督作品として期待の高いこの作品。私の少年時代に大きな影響を与えてくれたのがダウンタウンで、自分に 明るさを教えてくれたのは彼らであった。番組は欠かさず見ることはもちろん、初めて買ったCDも『Wow Wow Tonight』で、中学2年の頃の読書感想文には『遺書』を書いたのも覚えている。それだけにこの作品は非常に楽しみにしていた・・・のだが、いざ評論 を書こうとするとものすごく評価がしづらい作品であった。それは私情も入ってしまうからなのであろうが・・・。
たぶんきっと映画評論家の中でこの作品を絶賛する人はいないだろう。そしてこの作品が何かの賞を取ったり、映画として名高い評価を得ることもな いはずである。私自身の評価としても、主張を除いた全項目においてかなり厳しい採点をした。何故なら「ただ、何の考えもなしに」映画としてだけ見るとつま らないからである。コメディなんだったらもっともっと笑いの要素を入れて欲しいだろうし、前半部分はゆったりとした展開の上見所もない。「オッ」と見張る 部分があっても単発。後半部分は今まで綺麗に描いていた世界をぶち壊すような描写で、それがエンディングまでだらだら続く。ましにはなったが松本人志自身 の演技もやっぱりイマイチ。
と、いう評価をするのがおそらく正しいのだろうが、実は私自身はとっても満足している作品だ。皆様にもこの映画の中に組み込まれた意志を是非感 じ取って本作品を見て欲しい。その意志とは、「松本人志のお笑いへの魂」である。松本監督は、今現在普通には表現できない笑いがあるから映画でそれを表現 したかったのである。
何故お笑いだけ自由に表現できないのだろう。ヒーロー戦隊が5人で怪獣1匹を退治するのは許されて、芸人が芸人をいじめるのはダメというのは何 故だろう。下ネタは子供の教育に良くないとの批判がある。老人がボケたことを笑いに変えたり、人の死を使った笑いなんかも非難を浴びる。でも、笑いとは知 らない間に人々を豊かにするものであり、たとえそれを誰かに分かってもらえなくても、俺はそれをやりたいんだ。実際にホラ、おもろいやろ?
というのが松本監督の考えである。それがこの映画『大日本人』に込められた想いであり、劇中にもゲームをやる子供を例えて述べられている。映画としてこの作品を見る方も、ただ批判するだけでなく、松本監督の想いを是非とも組み込んで見て欲しい。
映画会場が爆笑に包まれた時、私は別の意味で涙が出そうになりました。

2007年4月11日水曜日

DETH NOTE前・後編 ~ファンにはたまらないオリジナル作品~

総合 65点
(ストーリー:内容;28点/30点
      一貫性;11点/20点
       展開;11点/20点
主張:6点/10点
描写:4点/10点
演技:5点/10点)




 週刊少年ジャンプで連載され、一躍大ヒットとなった漫画『DETH NOTE』が映画化された。私は連載中も1話~最終話まで欠かさず読んでおり、単行本も全巻揃え何度も読み返したほどの大ファンである。大場つぐみ・小畑健のタッグで描かれた当原作は、舞台設定、キャラ像、そしてなによりストーリー性、中でも頭脳合戦での奇抜なトリックには、多くの人が魅了されたに違いない。ちなみに全108話(人間の煩悩の数)、単行本全13巻(キリスト教で縁起の悪い数字)などという細部にまで拘っている1作で、私自身、『スラムダンク』以来の大傑作であると感じており、皆様にも強くお勧めしたい作品だ。

 と、いつもより作品紹介を熱く語ったのにも、ひとえにこの作品のストーリーは原作が優れているためにかなり面白い内容だということを言いたかった為だ。「ノートに名前を書かれた人間は死ぬ」という設定の下、全く正反対の正義感を持った天才vs天才の頭脳合戦が展開されるストーリー内容、たまらなく面白い。本当ならば内容で満点をつけたかった所だが、主観が間違いなく入る為、若干の減点をすることにした。それでもほんの少ししかさせなかったのは、「ファンにはたまらない内容」であったから。「デスノート」に出てくる数々のトリック以外にも、原作にはないノートの使い方が登場している点が特にそうで、ファンであればそれにココロを揺さぶられない訳がない。Lが最後に死んでしまうシーンには、チョコと玩具が登場するというファンにしか気付かない細かな演出も随所に見られ、たまらない。そして原作での重要な場面、「実写で見たい!」と思うところは外さず、しっかり描かれている。デスノートのファンならば、必ずや満足する作品で、その主観だけで判断をすれば演技以外ほぼ満点をつけて良い。

 しかし、裏を返せばファンにしか面白くない作品という意味にもとれる。原作をちょっと知っているだけの人ならば、「月がこんなに馬鹿じゃない」「Lはこんなに綺麗なやつじゃない」等のギャップを強く感じてしまい、描写が下手だの、展開がおかしいだの、映画としてはあまり面白く感じない作品であるだろう。また、原作を全く知らない人にとって後編は何が何だか分からなく、ついていけなくなること必至である。こんなに大満足なのに、そう感じるのは一部のファンだけというのは少し残念だなと感じた。

2007年3月12日月曜日

ハチミツとクローバー ~芸術的な青春~

総合82点/100点
(ストーリー:内容;19点/30点
       一貫性;20点/20点
       展開;15点/20点
主張:10点/10点
描写:10点/10点
演技:8点/10点)

美大生の青春を、その舞台の通り芸術的な描写で展開していく青春映画。原作は羽海野チカの『ハチミツとクローバー』。大ヒットコミックらしいけど、俺は原作を全く知りませんので、原作との関連についてのコメントがないのはご了承を。

テーマは青春恋愛。ストーリー展開やキャラクター描写がセリフや表情での具体的表現でなく、「絵画」を中心とした抽象的な、芸術を媒介として表現されていく。相手の事に惹かれていく様。それが交互に作品を作るという事で表されていく様子がその例で、文字通り「芸術的な映画」というのはこういった作品を言うのでしょうか。そんな抽象的な表現が多いこの作品だからこそ、クライマックスでの「好き」という言葉が非常に魅力的に感じます。
ワンシーン毎にとぎれとぎれになってしまうのですが、それこそ演出のように感じる技術はすごいです。起承転結のつけ方が非常に綺麗です。特段涙を流すような感動シーンやストーリーとしても盛り上がりはないけれどこういった純粋な青春を見て、心にじわりとくる『ハチミツとクローバー』はなんだかタイトルのように「甘酸っぱさ」を心の中にもたらしてくれます。
キャラクター5人を演じる俳優・女優陣の演技もとても良いです。特に「はぐみ」を演じる「蒼井優」。かわいくて純粋でプラトニックな笑顔。他の作品ではそれがわざとらしく感じてしまったけど、ことこのキャラクターに関しては抜群の相性です。この女優のキャスティングは巧みです。その他にも天才・平凡・変人そんなキャラ像をしっかりと演じきれている各キャストも良いですよ。
 ただただ、純粋な青春であるが故、プラトニックすぎる面は、常日頃の恋愛作品を見慣れていない人であっても刺激が足りないでしょう。大学生(しかもちょっと変人な)で、こんな甘いことは・・・みたいな事を感じた人はすみませんがもう少しこの映画の中に溶け込んで見てみてはいかがでしょうか。

ストーリー性の盛り上がりや感動ではなく、芸術的な青春を味わえる『ハイチミツとクローバー』。まだ見てない人は是非借りてみてはいかがでしょう?
オススメの1品です。

2007年3月11日日曜日

映画評論 ~はじめに~

映画評論もやってみようかと思います。

ただ、私は小説を書いたり、脚本を書いたりした事はあるけれど、映画を作った事はありません。

普通の映画評論家がしているような、
「ダイナミックな演出が良い。」
「CG技術の取り入れ方が良い。」
などと言った事は良く分かりません。

しかし、ストーリーの内容に関するコメントは言えます。
そして私自身、映画で最も重要視するのがそのストーリー・話の内容です。
・話の展開が良い
・絶妙のフレーズを織り交ぜる・・・。
・このエンディングには、このふりがあったから活きたんだ。
etc・・・。
話の内容に関する事を中心に述べて行きたいと思います。


また、私は映画関係者でもない為試写会に参加できる訳でもありません。
その映画が公開されてからしか作品に対するコメントが載せられません。
その点に関しては若干ご了承頂き、
ビデオを借りる時の参考になればと思います。

最後に、私の採点基準に関してです。
全体を100点満点とし、以下のように内訳ます。

ストーリー:内容30点   ・・・全体としての内容です。「新規性があってよい。」などを評価します。
       一貫性20点 ・・・話のキーである起承転結が整っているかどうか。
       展開;20点  ・・・展開に無理がないか。かといって飽きのこない展開であるか。
  主張:10点       ・・・作者(主に監督)の言いたい事が伝わってくるかどうか。
  描写:10点       ・・・演出について
  演技:10点       ・・・俳優さん、女優さんの演技

ストーリーを重視して述べさせていただきます。