2007年11月10日土曜日

アンフェア the movie ~ドタバタすれば良い訳じゃない~

『アンフェア the movie』 ~ドタバタすれば良い訳じゃない~

(07年3月)
総合48点/100点
(ストーリー:内容;10点/30点
       一貫性;6点/20点
       展開;20点/20点
主張:4点/10点
描写:4点/10点
演技:4点/10点)

ファン待望の、篠原涼子主演のドラマ『アンフェア』が映画化。ドラマを見ていなかった私だが、「まさかこの人が?!」という裏切りサスペンスは毎回ハラハラどきどきの連続らしく、ホラー・サスペンス好きにとってはかなり期待のもてるの作品である。以下に、ドラマ『アンフェア』との関連が述べられない事にはご了承頂きたい。

『アンフェアthe movie』は、確かにどんでん返しの連続で、日本の警察とは思えない数多くの銃撃戦はハラハラどきどき物である。しかも、主人公雪平夏見の愛娘が事件にまきこまれ命が危うい!という展開。ファンにとってはきっとたまらない。

しかし、良いのは中盤まで。ドタバタだけすれば良い訳じゃない。終盤のクライマックスがそうなりすぎているせいで、もう何が何だか分からなくなっている。「終わりよければ全てよし。」作品に出てくるこの言葉を、制作者が一番分かっておらず、終わりが汚いせいで作品全体がものすごく汚い。「誰が裏切り者なんだ?!」と見ているこっち側が疑心暗鬼になるような期待も、何が何だか分からない。展開が激しくどんでん返しがあるのはよいのだが、限界がある。短い間に5転・6転もされた上に俳優さん自らセリフの中でくどくど説明する羽目になるのは一生懸命考えてもこんがらがってくるしもう何がなんだか分からない。その上銃撃戦も使いすぎで、終盤の大事なところでは既に飽きてきている。「撃つのか?撃たれるのか?」とハラハラさせたい所が・・・・「あ、やっぱり撃った。」と、なる。そして当然ながら愛娘との親子愛の感動なんぞ、くる訳がない。監督としてはドラマ以上の作品を作ろうということでこれまでにないどんでん返しとアクションを頑張ったところなのであろうが、残念ながら見事に裏目に出てしまった。

結局のところ傑作となるはずの裏切りサスペンスは、汚いサスペンスとできの悪いアクションとなり非常に残念である。見る際には、特にアンフェアファンの人は広いこころを持ってみてください。

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