2008年1月13日日曜日

バブルへGO タイムマシンはドラム式 ~最高級のエンターテイメントSHOW~

『バブルへGO ~タイムマシンはドラム式~』 ~最高級のエンターテイメントSHOW~(2007年2月)
総合93点/100点
(ストーリー:内容;28点
       一貫性;16点
       展開;20点
主張:10点
描写:10点
演技:9点)

おどる大捜査線で有名な君塚良一氏脚本によるオリジナル映画。タイムマシンでバブルへ行くという何とも古めかしい設定に私自身あまり興味をそそら れなかったのではあるが、内容を見ると、かなりの大傑作であり、君塚良一のすごさを改めて思い知らされた一作である。これまでの君塚映画を批判し、「おど るシリーズ」の低迷を感じていた評論家達も彼のこの1作には“ヤバイ”と、うならされたに違いない。
まずは何と言っても、ストーリー内容が抜群に面白い。起承転結の大枠はもちろんのこと、細部にまでこだわりが見られ、何重にもエンターテイメン トが含まれた描写には、改めて君塚良一のすごさを知らされる。バブルの時代を味わっていない私のような人でも充分に楽しめる。大爆笑ではないが細かな業で 楽しませ、当時の様子の再現で楽しませる。そしてその前フリになっていないようなものでも後で活かす。この業は、まさに君塚ワールドの格別に上手いところ である。ストーリー全体での面白さ、細部へのこだわり、さらにはどんでん返しの展開もきかせた上に、感動までも加える。エンディングでもごく当たり前のよ うに未来を変えてしまっているが、この展開は勇気があり、そして自信がないとできない。製作者の「きっと楽しんでもらえる」という想いがないとできない。 その主張も評価すべき点だ。「タイムマシンで過去へ行き、未来を直す」なんていうどこにでもありふれたストーリーを、最高級のエンターテイメントSHOW に仕上げている見事なまでの大傑作。何も新しく、難しいことをやらなくても良いのである。
1990年を再現した技術もすごい。すべてのシーンに粗がなく、ここでも細部にまでこだわっている。バブル期を過ごしていた人達にとっては、この描写を見るだけでも楽しむ事ができるに違いない。
広末涼子、阿部寛の演技も良かった。広末涼子は評判が落ちたものの未だ色っぽさを持っていて尚且つ優雅だ。阿部寛は同じ人物だが人格の違う3役を見事に表現しきっている。
以上この作品、もはや満点をつけても良いのだが、抜群に良いストーリーの中でも、それはいくらなんでも話が飛びすぎという一貫性の矛盾点と、より 一層高い演技のできる役者がいてしまうという事で演技について若干の減点をした。あとはバブル期が未経験であり、不動産融資の規制を知らなかった事により この最高級エンターテイメントを一層楽しめなかった私自身の未熟さによる減点である。是非DVDレンタルをオススメしたい。

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