2007年9月25日火曜日

第1話 マティーニ


名古屋にいた時からお酒は好きで栄のバーにも当時の彼女と良くいったものです。

東京に出て荻窪で独り暮らしをしている頃、素晴らしいバーテンダーさんに会って、その人からバーテンダーの心、お酒の心を教わりました。

漫画のようなバーの世界も、実は嘘じゃないかもしれません。

BAR「Spirits」 第1話
~マティーニ~

お客様はマティーニというカクテルのレシピをご存知ですか?

・ドライジン     45ml
・ドライベルモット  15ml

あとビターズを1dashにレモンピール。


しかしこれだけのものが何故「カクテルの王様」と言われるようになったのかご存知ですか?

それは、これがバーテンダーの魂(スピリッツ)だからだと私は思います。

お酒の好きな方が何故究極のマティーニを求めるのか?
それはそこにバーテンダーの魂を探すからかもしれません。


実はマティーニには決まったレシピがありません。今作ったものはカクテルブックに載っている一番オーソドックスなものを作っただけです。


使うジンの銘柄、温度によっても味はだいぶ変わります。もちろん分量も。フルーツを使ったものもマティーニです。

しかし、私はいつも思います。バーテンダーとしてお客様にお出しする全てのお酒が、カクテルであり、マティーニなのだと。
本来はお客様に合わせた最高の一杯を作るのが我々バーテンダーの仕事です。
だからそこにバーテンダーの魂が込められるのです。

このマティーニに、個性が無くなってしまった時、それはマティーニと呼べません。
その人の想いを酌み、自分の想いをお酒に注ぐ。
そうなって初めてマティーニというカクテルが誕生するのです。

そう、
大切なのは自分を持つことです。


そしてそれは少し、人生にも似ているかもしれませんね。



お客様、お客様は今、どんなマティーニをお飲みになりたいですか?

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